
マンション管理士の位置づけ
このページでは、マンション管理士の資格の難易度を別の側面から見てみましょう。
他の建築・不動産関連の国家資格との比較です。あくまで私見的な要素も含まれてはいますが、難易度の前後関係に齟齬がないよう、資格をしぼり込んで並べてみました。
まずは、マンション管理士のランク付けを把握してください。
建築・不動産関連資格のランキング
Sランク | 不動産鑑定士 |
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Aランク | 1級建築士、マンション管理士、土地家屋調査士 |
Bランク | 測量士、宅地建物取引主任者、2級建築士 |
Cランク | 管理業務主任者、建築CAD検定試験(准1級)ほか |
土地や建物の実勢価格を評価する不動産鑑定士は、これは異論なく格上です。
しかし、1級建築士や、土地の測量と登記の専門家である土地家屋調査士と比べた場合は、もうそれほど難易度に差のないのがマンション管理士の資格といえます。
1級建築士になるよりはいくらかは楽なのがマンション管理士、それくらいの差しかないのです。
ただ比較しにくい要素として、一級建築士の試験の場合は、建築設備や建築一般構造など建築面の出題が中心であるのに対し(法規は建築法規のみ)、マンション管理士の試験は、区分所有法や民法など、あくまで法令科目が中心である側面があげられます。
また受験資格についても、マンション管理士には一切の制限がありませんが、一級建築士は、大学の建築・土木課程を卒業した上で、さらに実務経験があることなどが受験の要件になっています。
そのようことを加味すると、やはり一級建築士の方が難関ということにはなるのでしょう。
宅建は不動産関係で人気の資格
建築・不動産関連で最もポピュラーな資格といえば、これは宅地建物取引主任者ということになります。
資格の活かし方の違いはありますが、マンション管理士の試験の難易度は、宅建を取るよりずっと難しいです。
宅建試験のここ数年間の合格率は15%~20%程度です。
一頃に比べ「宅建の試験は難しくなった」といわれていますが、それでも学習範囲や合格までに必要な勉強量のことを考えますと、マンション管理士になるよりはずっとラクだといえるでしょう。
「管理業務主任者からステップアップする」という方法もあります
建築・不動産関連の資格でもうひとつ、管理業務主任者とマンション管理士の資格を比べておくことは非常に大事だと思います。
上のランクづけでお分かりの通り、難易度は比べるまでもなくマンション管理士の方がずっと上です。
ただポイントとして、マンション管理士と管理業務主任者の資格はどちらも、国土交通省の管轄として同じく2001年度に誕生した資格であることを押さえておくことが大事です。
要点だけお話しすると、マンション管理士はマンション管理組合をコンサルタントとしてサポートする仕事です。
かたや管理業務主任者は、主にマンション管理会社に属して働きます。また試験の内容が、難易度には大きな差がありますが、内容自体は非常に似通っているという特長があります。
そのため若い受験者のなかには、管理業務主任者を取得→マンション管理会社で実務を勉強(このステップは飛ばすことも可能)→マンション管理士に挑戦、というステップを踏む人がたくさんいることを覚えておくのは、決して損なことではありません。
一級建築士>マンション管理士>宅建主任>管理業務主任者。
マンション管理士の試験の難易度については、そのような認識でいるのが現実的だと思います。