マンション管理士とは

ホームドクター的な存在

陳腐な譬えになりますが、マンション管理士には「マンション管理のホームドクター」的な面があります。
かかりつけ医には、ちょっとした発熱でも、またあってはなりませんが大きな病気のことも何でも相談しますよね。

マンション管理士もそうです。顧問契約を結んだ管理組合の相談は何でも受け付けます。

私が担当するマンションの一つで、自転車置き場の問題のことがあります。全64戸のマンションに自転車が70台。置き場スペースからはみ出してしまっていました。

しかし、なかにはもう錆びついていて、放置自転車にしか見えないものも少なくありません。私は理事会で、「使っている自転車には、住民の方にステッカーを貼ってもらいましょう」と提案をしました。

そしてもう使われていない自転車10数台を撤去。それでもまだ置き場には収まりませんので、どのように駐輪場スペースを拡大するかは、現在の検討課題として継続しています。

例に挙げた駐輪場の問題は、ドクターへの相談としては「風邪」のレベルでしょうか?ほかにも、ペットの問題、騒音問題、ゴミの問題など、マンション管理士が間に入ることが必要な日常問題は多々あります。
一般的には、概ね以下の業務がマンション管理士の守備範囲といわれています。

管理組合の運営補助

  • マンションにかかわる相談への指導、助言
  • 総会、理事会などの運営
  • 管理費、修繕積立金の会計監査
  • 空き駐車場などの共有部分の有効活用
  • 管理費などの滞納者に対する対応
  • 予算案の作成、改定案の作成
  • 管理組合広報代行(インターネット活用)など

管理規約の立案と改正

  • 管理規約、使用細則の原案の作成
  • 現行管理規約の見直し

マンション管理会社への対応

  • 管理会社の業務監査
  • 現行管理委託契約の見直し
  • 管理委託会社の選定や変更

修繕対応

  • 長期修繕計画作成の補助
  • 大規模修繕工事推進の補助
  • 上記に対する勉強会の開催

住民間のトラブル対応

  • ペット問題
  • 騒音問題
  • 駐車場問題
  • 漏水問題

いかがでしょう?守備範囲が非常に広くて、マンション管理士は苦労ばかりが多い仕事のように思わる方もいるかもしれません。
でも、よく考えてみてください。マンション管理士の役割はつまるところ、建物の状態を守ること、そして住民の方がルールを守って生活していれば発生しない問題への対処です。

言い換えれば先手・先手を打っていけば(理事会への働きかけと決議)、未然に防げることもたくさんあるのです。

虫歯が痛みだしてから歯医者へ行くのではなく、日頃から歯をきちんと磨いて虫歯にならないようにすること。
ホームドクターと称するからには、そのような取り組み姿勢が大切です。それが本来マンション管理士に求められていることです。

補足になりますが、やっかいな問題への対処(または未然の防止)を通じ貢献することで、管理組合から寄せられる信頼は、少しずつではあっても育っていくものです。
そしてここがポイントです。マンションの管理組合は民間企業とちがって潰れません。大切な取引先が絶対に倒産する心配がないのです!

どれだけ報酬(収入)を頂けるかは会社相手の商売とちがってたしかにむずかしい面もあります。しかし、報酬なしの仕事ということもまたあり得ません。

どう働きかけて報酬を拡大するかは私自身の課題でもありますが、取引先が絶対になくならない安心感は、この世界へ入って初めて実感したことの一つです。