
独学される方は、以下の考え方で適切なテキストを選ぶようにしましょう
マンション管理士の試験の範囲は大きく4つでした(もう一度試験概要のページをご覧になってみてください)。噛みくだいて言い直してみますと、
- マンションを管理する上で必要な法律と実務こと」(つまり法律の勉強が中心です)
- 「管理組合の上手なまとめ方」(管理組合の役員や理事の役割とか集会の運営方法などを勉強します)
- マンションの構造・設備について」(建築構造や設備の基本を勉強して、具体的な修繕計画が作れるようになるための勉強です)
- そしてマンション管理士としてあるべき姿勢の「マンション管理の適性化の推進に関する法律
この4つを勉強することになります。
さらにこの4つを学問的にジャンル分けしてみますと、実はマンション管理士の試験は、「法令」、「管理業務と会計」、設備の3つで構成されていることがお分かりになると思います。
それぞれの細目を列挙してみましょう。
法令系
- 区分所有法
- マンション標準管理規約
- 民法
- 被災マンション法
- 不動産登記法
- 宅建業法
- 建替え円滑化法
- マンション管理適性化法
- その他の法令(品確法等)
管理業務と会計系
- マンション標準管理委託契約書
- 会計・税務・簿記
- 民事訴訟法
設備系
- 設備
- 維持保全
- 建築基準法
- 都市計画法
- その他設備系法令
と整理することができます。結局のところマンション管理士の試験対策とは、民法や区分所有法、特別措置法、不動産登記法ほかさまざまな法律科目(住宅品質確保法、消防法など)が中心で、それにプラスして、設備と管理組合で必要な会計について、また規約と契約などについて勉強することなのです。
このあたりのことをもっと簡潔に解説できなくて申し訳ないですが、私がお伝えしたいはこうです。
マンション管理士の試験範囲は、年に1度出題されるかどうかわからない分野まで入れると対象が広くて非常に対策がむずかしい試験に思えます(実際に対象範囲は広いです)。
しかし毎回、全50問のうち30問は中心となる法律から出題されています。次いで構造設備からの出題もかなり多い。
そして50点満点の35点(7割以上)を取れていれば、ほぼ確実に合格できる試験であるということです。
ご本人の経歴(すでに法律を勉強しているとか、設備には詳しいとかということです)と相談しながら、学習が進む過程で思い切って捨てる分野は捨てるなどの判断も必要になってくるはずです。
以上のことはどんな学習スタイルを選ぶ場合でも当てはまるはずです。マンション管理士合格対策に、専門学校(通学)や通信講座を利用するか、市販のテキストのみで独学するかに関わらずのことです。
スクールや通信講座の講師は、私がこのページで述べたことを、もっと明瞭にポイントを突いて解説してくれることでしょう。
ですからここに書いてあることは、ざっくりとした理解していただくだけでも大丈夫かと思います。
しかし独学をされる方は、上記の解説を参考に、学習しやすいよう編集された教材をお買い求めになるようお薦めします。
おすすめの市販テキスト
以下あくまで管理人の私見になりますが、市販でお薦めのテキストを並べてみます。
基本テキスト
- 『マンション管理の知識』(マンション管理センター 3,360円)
- 『楽学マンション管理士』(住宅新報社 3,255円)
- 『マンション管理士パーフェクトチェック』(マンション管理法令研究会 5,880円 )
問題集
- 『マンション管理士過去問題集』(TAC出版 2,520円)
- 『マン管・管業Wマスター過去問集』(早稲田経営出版 3,780円)
- 『ラストスパートマン管直前予想問題集』(TAC出版 1,680円)
このほか書籍は特定しませんが、民法と二級建築士試験(設備・構造理解のため)のやさしい解説本と、それから六法を一冊用意すると、比較的スムーズに自宅学習が進められると思います。